首長族
先日、岡村&東野の「旅猿」を見た。今回は、観光客馴れしている首長族と観光客馴れしていない首長族に会いに行くというもの。前者はタイのチェンマイ、後者はタイのメーホンソン。結論として、土産物を勧められて「観光客馴れしていない首長族は居なかった」ということでエンディングに。これは酷かった。自分も11年前に憧れの首長族に会いに上記メーホンソンに行ったのだが、彼女らはミャンマーからの難民であってタイ国内で普通の仕事に就くことは出来ないので、村内で観光客相手に土産物を売っているのだ。だから、片言の英語を話せる人がいるし、自分が行った別の村は日本人だけ内緒で宿泊できるので日本語が広まっていた。よって、タイに「観光客馴れしていない首長族は居なかった」というのは正しい。しかし、慣れてはいるが擦れてはいない。番組内でもそうだったが、自分が行った村でも控えめに「どうぞ見て」というようなことはあるが、お土産を買ってくれと言われたことはない。「今日、泊まっていくのか?」と聞かれるだけで、商売抜きで片言の雑談や写真撮影に応じてくれる。本当の意味で観光客馴れしていたら、撮影料を要求するはずだ。一緒に写真を撮るというのが最高の土産なのだから。そういう意味で、あそこまでがっかりしなくてもと思うのだが。勝手にがっかりされた首長族が可哀想である。どうしても観光客馴れしていない首長族に会いたいなら、ミャンマーに留まっている首長族の村へ行けば良いのだ。行けるようになったかどうかは知らないが。民主化して今後擦れてくるだろうが、自分が訪れた頃はミャンマーの人たち自体が観光客馴れしておらず、とても素朴で親切な人ばかりだった。アジアの発展は目覚ましい。観光地ではない田舎にしか観光客馴れしていない人が存在しない時代がそこまで来ているかも。無責任な旅行者は幻想を追い求めたがる。自分もそうだった。しかし、旅は幻想を現実に変えていく作業の繰り返しでもある。