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2022.02.20

チョコレートドーナツ

最近、自分が今まで触れてこなかった名作エンタメ作品に触れる機会をつくるようにしています。
名作といわれる評価が高いものは、人の感情を動かすエネルギーを持っていて、いろんなことを考えさせられるなあと思います。
今回はその中でも、いろいろと考えさせられた表題の洋画について書きたいと思います。

あらすじ

ゲイバーで働いている男性”ルディ”は、同じマンションに住むダウン症の男の子”マルコ”に出会う。マルコの母親は薬物の所持しており、警察に捕まってしまう。もともと育児放棄の状態にあったマルコをルディが発見し、保護するところから物語は始まる。
ルディはゲイバーのお客として来ていた検察官のポールと恋に落ち、ポールと一緒にマルコを育てていく決意をするが、様々な壁にぶつかることになる。

チョコレートドーナツ公式サイト

感想

映画を見た後に強く感じたのは、ルディの愛の深さでした。本作品の舞台は1970年代であり、現代と比べてゲイへの風当たりが強いものでした。マルコの幸せを守るためにルディが戦おうとすると、本質とは関係ない部分で世間から傷つけられる場面があります。しかし、ルディは世間の目には負けず、あくまでもマルコを幸せにすること、マルコにとっての幸せを考えて行動していきます。実際の親子ではないのに、そこまで他人のことを考えて行動できるルディはとても愛情深く、強い人だと思いました。
もう一つ感じたのは、子どもも意思をもっていて、それをないがしろにしてはいけないということでした。昨今、「毒親」というキーワードを見かけることがありますが、子どもの人生に関わる選択においては、やはり自分で選ぶという体験をさせてあげることが大事なのではないかと思います。
また、その選択を見守り肯定してあげることも大事だと思いました。

2022.02.08

春日神霊の旅 ―杉本博司 常陸から大和へ

会場入り口

金沢文庫にて、春日信仰をテーマにした展覧会が開催されていた。春日信仰に興味があるというよりは、杉本博司がかかわっているということで興味があった

杉本博司の入口は江之浦測候所だった。広大な敷地にそれぞれに時代を経た自然物や建造物が収集されている。それは博物館のような陳列ではなく、むしろ大名が作る風光明媚な庭といった感がある。そのため、杉本博司については、写真家、美術家というよりは、風流人といった印象が強い。

その杉本博司が手がけた春日信仰についての展覧会。

展示内容は興味をひかれるものが多くあった。
とくにおもしろいと思ったのは、鎌倉時代につくられたものに、杉本博司が手をくわえた作品。時代を経たものに手をくわえるという行為が、歴史的な遺産を作り変えてしまうということにはならないのだろうかとも思う反面、破損したアイテムを修復し、あたらしい価値を与えるという行為として考えると、それはそれでありなのかもしれないと思った。破損した信仰の対象に手をくわえることによって、現代によみがえらせる、つまりは信仰を引き継ぐ行為ともいえる。
単純な修復という選択肢もあるが、手をくわえて作り直すという発想は、展覧会での出品作品としては斬新な発想で、個人的には好ましく思った。

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